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駆け足の30分で、医療の未来を大胆予想してみる(3)。見切り発車の後半。

結果的に言うと、この中国製の心室中隔欠損を治療するデバイスが、欧米、日本で認可されるかというと、未来永劫そういうことはないと思う。それは、やっぱり治療した後の遠隔成績が出ないし、すこしありはするが非常に質が低いからだと思っている。それは、治療した患者さんは、治療したらそれで終わりで、経済や地理の問題でそれっきり病院に来ない人も多くいたり、医療のシステムの未熟さが原因だと思う。

しかし、このデバイスは、世界の多くの患者さんを救う可能性があると思うし、実際に、多くの場所で使われると思う。

単純に人口の話をすると、EUで5億人、アメリカは3億人、日本は1億人ちょっと、韓国が0.5億人でカナダは0.3億人。あわせても中国の13億人には遠く及ばない。中国だけでもそうなのに、ロシア1.5億人、インドネシア2.5億人、バングラデシュ1.5億人、フィリピンとベトナムで1億人づつ、タイが0.8億人、さらに、忘れてはいけないインドの12億人。中国の周囲のアジアとロシアだけで、地球の半分の人口がある。

これは、ちょっと言い過ぎかもしれないけど、いままで欧米人が作り出した規則と秩序を、そんなのくそくらえだ、と言う可能性のある人数は、規則と秩序を重んじている人数を軽く越える。さらに、南アメリカはどうだろう。そして、アフリカはどうだろう。ブラジルや南アフリカといった経済的にうまくいっている国をのぞいて、ほとんどの国が目の前の命を安く救いたいと思ったって仕方ないと思うし、価値はあるのかもしれないけど、金ばかりかかる規則や秩序を、くそくらえ、とトイレに流してしまっても当然だと思う。

今までだって、そういう国では、規則や秩序をくそくらえだと思っていたと思う。しかし、それをくそくらえ、と言ってしまうと他の手段がなかった。欧米のやり方やものしかなかったから、それに従うしかなった。しかし、今は中国が自分たちの価値観と倫理観で、たとえコピーと批判されようが、そんなのお構いなしで開発?し販売しつつある。しかも安価で。欧米人の作り出した規則や秩序を、中国が、くそくらえと言える土台を作りつつある。

僕はそれが悪いことだとは、全く思わない。だって、そのカテーテルは、それがなければ死んでいたこどもたちを救っているから。遠隔成績はわからないけど、たとえ、10年後にそのカテーテルが原因で不幸にも死ぬ事になっても、そのカテーテルは10年というかけがえのない時間をそのこどもと家族に作り出すのは否定できないと思う。


そうとうでかい事を言おうとしていてちょっと怖いのだけど、酔っぱらいのオッサンの戯言だと思ってもうちょっと言わせて欲しい。


この先、こういうデバイスの世界、ひいては医療の世界は二分化していくと思う。欧米人のつくった規則と秩序の世界と、そんなのくそくらえだという世界。そして、くそくらえだという世界の方が圧倒的に人数がいる。その世界の中で規則や秩序以外の新しい価値観が創造されて、それが少しずつ発言力を持つようになって、くそくらえで始まった世界は、きっといつか欧米人の世界に並び、もしかすると凌駕する時が来るかもしれない。

しかし、そうなっても欧米人の作り出したこの世界は、この世界できっと今まで通りに機能していくと思う。良いものを搾取して自分たちでも使うことがあっても安全性の基準をさげて安かろう悪かろうのもので医療をする事はないと思う。ぶれないで、少数派になっても自分たちのブランドを守り続けると思う。

だって、ヨーロッパ人は自分たちの歴史や文化とそれで生み出された規則や秩序に絶対の自信を持っているから、きっとぶれない。アメリカ人は、アメリカNO.1で自分たちこそがヒーローだと思っているから、きっとぶれない。







そうなった時に、僕が心配しているのは。日本の事。最初に感じた、背中の寒くなる思いは日本の事を思ったから。



















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このブログの登場人物
A教授:この病院のボス。手術中の紳士的な態度もさることながら、普段の笑顔も素敵。 H先生:A教授と同じ立場のボス。手術中は吠える鬼神に化す。手術を離れるとびっくりするくらい温かい人。実はいろいろな人のことをよく考えているのはこの先生。スロバキア人。 心臓先生:定年まじかのベテラン心臓外科医。みんなの指導医で、論文の数も凄まじく、統計処理も天才的。アフリカのブルンジ人。 J先生:兄貴のような執刀医。明るくて楽しいのだけど、感情の起伏が激しくて手術中は叫びまくることも。でも、その次の瞬間には笑っている。ギリシャ人の血をひくドイツ人。2012年の8月からベルリンの小児心臓外科のボスとして赴任。 C先生:推定年齢45~48歳の女医さん。だれも本当の年齢は知らない。長くこの病院に勤めていて、J先生の去った後、ようやく執刀医の位置に。ドイツ人。 L先生:J先生の後がまで赴任してきた先生。アメリカで修行した経験あり。ドイツ人らしい慎み深いいい人。 P先生:30歳の唯一の若者。元気でいい奴だけど、ちょっと性格が悪く看護師さんからは嫌われていたりいなかったり。H先生と同じスロバキア人で、H先生の保護下にいる。やや過保護?! D君:元々はスクラブナースだったけど才能を見いだされて手術アシスタントに。
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遮断鉗子

Author:遮断鉗子
心臓外科医のブログです。
小児心臓外科医(35歳 心臓外科 10年目)のドイツ留学記です。
2010年7月からドイツに。

毎日の手術の事を中心に。ドイツビールの紹介もしていきます。

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