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発表用のスライドの文字が小さい問題

こんなことを書くとただでさえ嫌われているのに、もっと嫌われていることになると思うが、どうしても我慢できないので、ぶっちゃけることにした。今の状況というより、昔のことを思い出して、という部分が多いのだけど。


機会があって久しぶりに日本語の発表スライドを作った。僕はMACを使っていて、Keynoteの方が使いやすし圧倒的にカッコいいので自分のプレゼンはKeynoteを使っているのだけど、事情もあり今回はPowerpointで作ってみた。

お医者さんは学会で発表することが仕事の1つで、そのときの発表は『スライド』を使って情報を提示する。大画面でスクリーンに映しながらその内容を喋る、という発表の形態が一般的。Powerpointなどで作るプレゼンテーションのことを『スライド』と呼ぶのが適切かどうかは個人的には?なのだが、通称として『スライド』と呼んでいる。

MAC用のPowerpointは動作がやたら重く、イライラしながら作るのだけど、もっとイライラすることはスライドの『文字が小さい』と言われること。どうやら、『スライドの文字は大きくないとダメ教』という宗教が日本にはあるらしい。しかも、熱心な信者がそこら中にいる。僕が豊臣秀吉ならキリスト教を迫害する前にこの『スライドの文字は大きくないとダメ教』を禁止するだろう。

例えば、学会のスライドを作る。そして、学会の前に院内のみんなにお披露目することになる。みんなの意見が出た後に、だいたい一番偉い部長がおもむろに、『内容はいいけど、文字が小さい』と鬼の首を取ったかのようなどや顔で言う。これに、イラッとする。イライラっとする。イライライラっとする。きっと、その本意はもっとスライドを見やすくしろ、と言いたいのだろうけど。こちらもそれは見越していて、カッコいいけど見やすいスライドを必死で作っている訳で。かなり見やすいのに、文字の大きさだけを言うことにイラっとする。そう言うことがまるで義務であり、権威かのようにいうところこもにイラッとする。どや顔にもイラッとする。フォントをもっとやわらかくしろ、だの、背景がくらいだの、そういうことを、部長が言い始める。結局、その通りに直していると、
スライド3
こんなスライドになって、あまりのダサさに死にたくなる。

『スライドの文字は大きくないとダメ教』の信者には、圧倒的に偉い人が多い。これは、なんというか、簡単に言うと、先輩が多い。つまり、老眼である確率が圧倒的に高い。老眼になったことはないので、ここからは推測なのだけど、本などを読む時に小さい文字は見えないらしい。だから、普段から小さい文字に対する敵意をめらめらと燃やしているのだと思う。新聞にも小説にも、この小さい字め〜!!見えねえだろ〜!!と。ここまでは、医学的にも理解できる。これは仕方ないだろう、と思う。明日は我が身だから。でも、この敵意を、学会の大きな会場で大画面で映し出されるスライドにもぶつけないで欲しいと思う。新聞を読むのと、大きな画面に映し出された文字とは違う。近くて小さい文字が読めないのは老眼で、遠くて小さい文字が読めないのは近視なのだ。もし学校で、近視なのに、黒板の字が読めません!と言っても、眼鏡かけろよと言われるのが関の山なのだ。忌むべきは、遠視属小さな文字科の小文字であって、近視属大画面科の小文字ではないのだ。

文字は簡単に大きくしたくない!!だって、文字をでかくすると、ダサくなるから。

ダサいスライドを出すくらいなら、死んでしまいたい、と思う乙女心もわかって欲しいし、単純に文字を大きくすれば見やすくなると言うものではない。言い始めるとものすごく長くなるから、非常に簡単に言うと、スライドの見やすさは、

文字数×フォントの種類×文字の大きさ×文字の色×背景の色×文字間隔×行間の幅×画面の大きさ

という複合的な要素で成り立っていて、文字の大きさだけでは解決しない。僕は個人的には、一番大きな要素は、文字数ではないかと思う。1枚のスライドにいっぱい書き込もうとすると文字が大きくても小さくても読むのが嫌になる。次は、フォントと色だと思う。特に、おっさんで『太丸ゴシック体』みたいな、所謂、昔でいう『丸字』を好んで使い、しかも、赤系のしかもピンクよりの色を好んで使う人がたまにいる(こんな人は『文字は大きくないとダメ教』の熱狂的な信者が多いのだけど)が、いろんな意味でその人のことが心配になる。

多くの人が言うように、僕もAppleの創設者のSteve Jobsのプレゼンテーションは秀逸だと思う。医学の学会にあのままのやりかたが通用するかというと、それをするためにはかなりの工夫が必要だけど、基本的にはイケル!と思っている。しかも、どう考えてもカッコいい。

論より証拠で、見てもらうのが一番いいのだけど。このスライドはKeynoteで作られていて、フォントはKeynoteにしかなくて、Powerpointにないものを使っていたりするがそれは小さな問題。見て欲しいのは、1つのスライドの文字数の少なさと、文字の小ささ。このスクリーンは大きいけど、学会会場のスクリーンとそう変わりない大きさだと思う。このスクリーンの大きさから推測するに、文字の大きさは、一番小さいのは24とか20とかではないかと思う。それでも、問題なく見えるし、読める。世界中でこのプレゼンはいろいろと評価されているし、賛否もあるみたいだけど『字が小さい』と文句を言う人は見たことがない。アルファベットと漢字を同列に扱っていいのか、という事もあるけど、文字数を減らして、フォントと色を選べば、文字の大きさでスライドの見やすさは変わらない。
文字を大きくすることでスライドがかっこわるくなる弊害もどうか考えて欲しい。







スライドは見るものであって見た目も大事。と思っている。どうか、一様に『文字が小さい』と言って、美しさを台無しにしないでほしい。




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No title

遮断鉗子さん

わかります!

年輩の上司にpowerpointや配布資料を見てもらう際に、
内容ではなく、字の大きさや、色やレイアウトに口を出されることがよくあります。
「そのレイアウトを変更しちゃうと、ダサくなってしまう(+_+) やめて~」と
いつも葛藤しています。

powerpointを作るときにいつも困ることがあります。
会場の暗さ、スクリーンの大きさによって、フォントや背景色は異なると思うのですが
会場には当日まで行くことができないときに、その調整が難しいな~と感じています。

実際に本番で映し出してみて、「この色のほうが見やすかった」と思うことも
たびたび・・・

遮断鉗子さんのおすすめの背景色・フォントの色・字体があったら教えてください!

No title

要は文字の大きさではなくて、つぼをきちんと伝えられる体裁になっているかどうかが重要ではないかなと思います。
ちなみに僕がスライドを作る際には、
1)背景色は白。何故なら一番多くの色を見やすく使うことが出来て、色分けにより情報を生かしやすいから。
2)1枚のスライド上での情報量は最小限度にし、ごちゃごちゃさせないですっきりさせる。各スライドで一番伝えたい情報には気を遣う(1枚につきメッセージは一つ)。もちろん文字数は最小限度。文章は書かない(キャッチコピーかキーワードで。足りない情報は口頭で補足)。
3)入れようかどうか迷った情報やスライドは、あっさりと捨てる(迷うと云う事は、入れなくても良い情報と判断する)。
4)重要な情報に20pt以下の文字は使わない(後ろに居る人たちからは、見えなくなるから)。
5)大体、1枚のスライドに1分半くらいを当てるように計算してスライドの枚数を決める。プレゼン時は(自然と早口になるのが普通なので)、ゆっくりとしゃべるように心がける。
6)プレゼンは、ある意味パフォーマンスなので、もちろん事前の練習は十分に。
7)あまり凝ったアニメーション等も多用しない(最小限度に)

これが正解かどうかは解りませんけどねw。プレゼンの上手いヒトって、スライドの枚数も多くない上に、本来は複雑な話もとてもシンプルな話として提示して来ますね。そういうのを見ると、上手いなぁ、賢いなぁといつも感心します。偉そうに云っている僕もまだまだです。

Re: No title

odatさん、コメントありがとうございます!!

>おすすめの背景色・フォントの色・字体があったら教えてください!
僕は、昔は背景から全部自分でつくっていましたが、いまは、テンプレートをそのまま使っています。フォントもそのまま使っています。おすすめ、というより、これはやっちゃいけないな〜と思っていることは、

薄く明るい背景→長い時間見ていて辛くなるので。背景をブルーにする時も、濃くて暗いブルーにしています。薄いブルーだと、文字が白でも黒でも見づらくなると感じます。
できるだけ単色に→文字やグラフは何種類も色を使わないでできるだけ1色か2色で作ります。強調したい時は、色を変えるのではなくて、大きさを変えることにしています。Bold(太文字)は文字が潰れてみづらくなる気がするので使いません。
文字間隔の小さい字体は使わない→日本語で言うと、ゴシックEとか明朝Eは使いません。

今は、病院のイメージ戦略で、病院のテンプレートを使わないといけないのであまり考えずに作っていますが、
自由に作る時は、僕は黒い背景に白い字というのを良く使っていました。

参考になれば嬉しいです。

また、気軽にコメントお願いします!!

Re: No title

Dr. kenさん、コメントありがとうございます!!

とても勉強になりました。ありがとうございます。
基本はパフォーマンスだという姿勢は僕もそう思います。僕はこれが非常に苦手なので、まだまだ勉強が必要ですが。

>プレゼンの上手いヒトって、スライドの枚数も多くない上に、本来は複雑な話もとてもシンプルな話として提示して来ますね。そういうのを見ると、上手いなぁ、賢いなぁといつも感心します。
これは、僕も本当に同感です。ポイントだけを、ポン、ポン、とスライドで補助的に出しながら、ストーリを簡単な言葉でつなげながら、気がつけばその人の複雑な世界に引き込まれているようなプレゼンにたまに出会いますが、まいった!!と思います。

プレゼン、うまくなりたいです!!

また、気軽にコメントお願いします!!

No title

遮断鉗子さん
Dr Ken さん

すごく丁寧なアドバイスありがとうございました!
なかなか、こういうプレゼンのことって、人に聞く機会もないので
ありがたいです!!

お二人の、いい所をいただいて活用させていただきます(^O^)



このブログの登場人物
A教授:この病院のボス。手術中の紳士的な態度もさることながら、普段の笑顔も素敵。 H先生:A教授と同じ立場のボス。手術中は吠える鬼神に化す。手術を離れるとびっくりするくらい温かい人。実はいろいろな人のことをよく考えているのはこの先生。スロバキア人。 心臓先生:定年まじかのベテラン心臓外科医。みんなの指導医で、論文の数も凄まじく、統計処理も天才的。アフリカのブルンジ人。 J先生:兄貴のような執刀医。明るくて楽しいのだけど、感情の起伏が激しくて手術中は叫びまくることも。でも、その次の瞬間には笑っている。ギリシャ人の血をひくドイツ人。2012年の8月からベルリンの小児心臓外科のボスとして赴任。 C先生:推定年齢45~48歳の女医さん。だれも本当の年齢は知らない。長くこの病院に勤めていて、J先生の去った後、ようやく執刀医の位置に。ドイツ人。 L先生:J先生の後がまで赴任してきた先生。アメリカで修行した経験あり。ドイツ人らしい慎み深いいい人。 P先生:30歳の唯一の若者。元気でいい奴だけど、ちょっと性格が悪く看護師さんからは嫌われていたりいなかったり。H先生と同じスロバキア人で、H先生の保護下にいる。やや過保護?! D君:元々はスクラブナースだったけど才能を見いだされて手術アシスタントに。
プロフィール

遮断鉗子

Author:遮断鉗子
心臓外科医のブログです。
小児心臓外科医(35歳 心臓外科 10年目)のドイツ留学記です。
2010年7月からドイツに。

毎日の手術の事を中心に。ドイツビールの紹介もしていきます。

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心臓を熱く語る、勉強するみんなの会です!! こちらにも遊びにきてくださ~い!!
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