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医療におけるグローバル人材って?

こういう大上段のことを書こうと、あれこれ考えているうちにどつぼにはまってしまうのは、いつものことだけど。今回もどっぷりはまってしまって、堂々巡りを繰り返すだけでちっとも前に進まなくなってしまった。ブログに書く事なんてどうでもいいのだけど、それにしてもどうもすっきりしない。

国際人って何だろう?と考えているうちに、『グローバル人材』という言葉をみつけた。なんじゃ、このグローバル人材って?また誰かが冗談でつけた名前だろうと思いきや、『グローバル人材育成推進機構』という文部科学省おすみつきの事業もあるようで、どうやら国として押しているものらしい。

では、グローバル人材って何だ?と言うと、
『若い世代の「内向き志向」を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる「人財」』(http://www.jsps.go.jp/j-gjinzai/)
だそうな。なるほど。『国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化』という途方もなく積極的な役割を担う人を育成する背景が、『若い世代の「内向き志向」を克服』とちょっと頼りなげでどこか消極的な感じが面白いけど。全体としてはわかる。グローバル人材。


外国で医師として働きたい、とか、研究者になりたい、っていう人が医療界でも減ってきたというしな〜。これが、若い世代の「内向き志向」か〜。ふむふむ。


しかし、なぜ、外国でそうやって活躍したいと思う若い人が減ってきたのだろう?
それには、たくさんの理由があると思う。日本の医学のレベルはほかの医療先進国と対等なので『留学』として学ぶものがなくなったこともそうだろうし、日本での医師のキャリアを考える上で外国で暮らすと、日本での空白期間のデメリットが大きくなるから、ということもあるかもしれない。

ん?日本での医師のキャリアを考える上で外国で暮らすと、日本での空白期間のデメリットが大きくなる?さらりと書くと、あ、そうだよね。と思う人もきっとたくさんいると思うけど、これこそが、問題なのかも。

僕自身もいろいろな人に、あまり長い間、外国にいると、日本の医療界に復活できなくなるよ、と心配をされる。特に、僕は医局という後ろ盾がないので、その悩みは結構深刻。ドイツの3年間だけでもかなりぎりぎりな感じなのに、アフリカに2年行っちゃうと、本当に奇人変人の類いになって面白がられはするだろうけど。。。もちろん、外国にちょっとだけいたからって、僕みたいな凡人が急に『グローバル人材』やすごい人になるわけもなく。時代が時代なら、ドイツに3年もいれば森鴎外のように。。。と思うこともあるけど、森鴎外って最年少で東大医学部に受かって、中国語の授業のノートをドイツ語でとっていたような天才だからそもそものレベルが違う。



そう。そもそも、『グローバル人材』なるものを日本の医療界は必要としているのだろうか?グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材を積極的に受け入れる雰囲気があるのだろうか?

ここで、『グローバル人材』考がとまってしまった。


別に生きる場所は日本だけじゃねえよ!!とケツをまくればそれですむのだけど、外国で一生懸命『日本人』をやって、いつか日本に還元できればと頑張ったあげく、日本では受け入れられないという結果は、とてもさみしい。なにをきれいごとを?自分のためにやっているんだろう?と思う人もいるかもしれないけど、外国で感じる自分は『日本人』であるという意識は、日本国内だけに住んでいてはなかなか味わえないものだし、外国にいて、日本人として日本のためになにかできないかと思っている人は少なくないのが事実だ。

寅さんだって、いつだって帰れるあったかい家があるから旅にでれるんだよな〜。





必要とされないものを一生懸命考えて書いても、う〜ん、寂しさをますだけかも。







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No title

こんにちは。またまた持論なんですが.....科学研究/医学研究においては、世界と対等に競争してなんぼですから、グローバルじゃ無い時点で世界に通用しないので国益に適いませんから、自明です。ここでは医療に限って議論したいです。

「グローバルに活躍出来る能力をもつ医師が日本に必要か?」
これは日本の医療界がどこに向かいたいのか?に大きく依存するのではないかと思います。
1. 現状維持の場合。つまり、外国人が日本の居住するのに大きなハードルをもうけたままが理想だとする場合。→先生のおっしゃる通り、医療技術には今やほとんど海外との差はないので、日本人しか診療しないのならばグローバルに活躍出来る人材は国内にはたくさん要りません。ごく少数の日本語以外の母国語を話す移民か短期滞在者に対応出来るごく少数の人材だけが居れば事足ります。ただし、グローバルな日本人の人材が途上国等で国際社会に貢献していると云う状況は日本の国際的な立ち位置に対して好ましいと思われるので、国際貢献と国内での少ない需要に応えるための最低限の確保は国益になると思います。
2. 居住に対してはハードルが高いが、医療サービスを「プライベート診療」として受けに来る外国人は積極的に受け入れ、一つの医療産業として打って出たい。→これなら、かなり多くの医師が英語でコミュニケーション出来ないと難しい。ごく一部の病院だけでそんなサービスをしたって、たいしてGDPには影響無いでしょうから、やるなら地域の中核病院全てがそういうサービスを提供出来ないと。それに、外国に行って日本人が病気になっった場合、日本語をしゃべれる先生が居たら多くのヒトがそちらで診てもらいたいと考えるのではないかと思います。わざわざ高いお金を払って日本へ診療に行って、通じない言葉でしかしゃべらない医師に診てもらおうとは西欧の連中は思わないでしょう。東南アジアからはどうかと云うと、英語が公用語の国が多いですから、産業として外貨を獲得するならば、やはり英語で対応出来るのが望ましいのではないでしょうか。
3. 英國や米国のように、積極的に移民を受け入れる事で国力を維持したい(出生率の維持や投資、科学技術研究などを含む)→こういう方針は今後も日本で採用される可能性は皆無でしょうね。やるなら公用語を日本語と英語で併用するくらいにしないと無理でしょう。日本人的な気質を考えても不可能かな。

海外が長いと日本へ帰れない。これは研究の世界も同様です。最も不可思議なのは、海外でポジションを得ている人材はほとんどが「国際的競争力が有る」と判断されたからポジションを得ているのにも関わらず、日本ではそれが全く考慮されないばかりか、「海外で通用した人材が日本で通用するとは限らない」という批判がものすごく根強いなと感じる事が多々有ります。これは、未だに「日本至上主義」、つまり日本はまだまだ海外よりもハイレベルであると考えられているからか、それとも社会構造を含めた西欧の仕組みと日本の仕組みが違うので、海外のやり方は日本では通用しないからということなのか、それとも既得権益を侵されるかもしれない事への恐怖なのか、未だに良く判りません。

ああ、またやってしまった....ますます日本社会から抹殺かな.....w

Re: No title

Dr.Kenさん、 コメントありがとうございます!!

> ああ、またやってしまった....ますます日本社会から抹殺かな.....w
今回は最後の一段落でぎりぎりアウトかもしれませんねwww。

まずはそこから。
>「海外で通用した人材が日本で通用するとは限らない」という批判がものすごく根強いなと感じる事が多々有ります。これは、未だに「日本至上主義」、つまり日本はまだまだ海外よりもハイレベルであると考えられている
僕は、日本はまだまだ海外よりもハイレベルと考えているとは到底思えません。むしろ、もっとネガティブなどろどろとした、なんというか、そのジェラシー的なものがやっぱり根底にあると思います。

僕もこれで完全にアウトになりましたww

医療に関してなのですが、Dr. Kenさんの仰る事もその通りだと思います。医療を産業として経済活動の一部としてとらえると、仰る通りだと思います。ただ、僕が残念なのは、学会や論文レベルでの、日本のやっていることの成果と、欧米からの評価のギャップの大きさです。例えば、日本の小児心臓外科では当たり前のことが、欧米ではこれからやるべき事として設定されていることが多いです。TOFのPVの温存も日本はかなり多くの経験があって間違いなく世界の最先端を行っているのに、こちらではいまようやくその議論が始まっているくらいです。そこで、日本の論文や学会発表を引き合いに出す人はいません。それは、こちらの人のプライドもあるとは思うのですが、それにしても何十年先を歩いている日本がイニシアチブをとれないこの現状をどうやって打破できるのかを考えています。それがあっての、『グローバル人材』考です。

先生はこの臨床における学術レベルでの日本のグローバル化をどう思われますか?


また、気軽にコメントお願いします!!

No title

なるほどね。せっかく良い発想が有るのに、日本発の成果がが世界に広くdisseminate出来ない、というのは僕もちょっと残念に思います。
要は、それを「もったいない」「くやしい」と本人達や日本の医療界、しいては日本社会全体が思うのかどうか、ですかね。
粛々と患者さんが治療されればそれで良い、という価値観だけに立脚すれば、別に海外に発信しなくても誰も困らないし、べつに残念でもなかったりする訳です。

と云う事は、結局は、日本の医療界が、世界の立ち位置の中でイニシアティブを取りたいのか、そうでないのか、なのでしょうね。

先月、日本に帰国した際に、多くの若い人たちと話をしましたが、彼らは全然内向きではなかったし、元気いっぱいでした。本音で、日本はまだまだ捨てたものではないな、大丈夫じゃないかなと思えました。あとは、日本の社会が、そういうやる気の有る人たちの心を折ってしまわないように、どうやって鼓舞するかだけなのかもしれません。

No title

おおっと、「臨床における学術レベルでの日本のグローバル化をどう思われますか?」と云う質問には全く答えていませんでした。

結局これは「学問」ですから、医術としての医療行為とは少し次元が違う話で、これに限って云うと、完全に科学技術研究と同列に論じないと行けないですよね。僕個人はグローバルであって欲しい、世界を牽引する存在で有って欲しい、というのが願いです。そう有るためには、海外で少なくとも数年は活躍したことがある人材が「当たり前にどこにでも居る」状況にならないと、厳しいのではないですか?

Re: No title

> なるほどね。せっかく良い発想が有るのに、日本発の成果がが世界に広くdisseminate出来ない、というのは僕もちょっと残念に思います。
> 要は、それを「もったいない」「くやしい」と本人達や日本の医療界、しいては日本社会全体が思うのかどうか、ですかね。
> 粛々と患者さんが治療されればそれで良い、という価値観だけに立脚すれば、別に海外に発信しなくても誰も困らないし、べつに残念でもなかったりする訳です。

僕も全くそうだと思います。僕は、医療の究極の目標は目の前の患者さんを治せるかどうか、だけだと思いますので、それだけできていれば全くそれでいいと思っています。ただ、すこし考えてみると、その目の前の患者さんを助けているという医師は、自分で構築したもので患者さんを救っているわけではありません。同じように、目の前の患者さんを救うことに一生懸命だった先輩の医師が、きっとみんな同じような経験をするだろうと、その知識を後輩に残し、世界に発信したからこそ、今、自分が医療をできているという事実は無視できないと思います。外科医の中には、自分で手術を確立してそれで患者さんが助かっていてそれは誰のお陰でもない、ということをいう人もたま〜にいますが、僕はこれはあきらかに井の中の蛙だと思います。その人の使っているメスや持針器でさえ古代ローマの人が発明したもので、そういうことが脈々と受け継がれて今があると思っています。その人ひとりが、自分だけが良ければいいと居直ってもそれは全然かまわないのですが、医療というのは医師が知識や知恵や技術を共有し合っていままで発展してきたし、患者さんのことをつきつめて考えると、自分と目の前の患者さんだけがよい、という狭い了見では成り立たないと思っています。

> と結局は、日本の医療界が、世界の立ち位置の中でイニシアティブを取りたいのか、そうでないのか、なのでしょうね。
イニシアチブをとれないという悔しさは確かに、僕の個人的な思いで、それでは議論はできないですね。ただ、自分たちは世界で一番だと言いながら、海外の人のいうことに過剰に敏感になってちょっと誉められようものならそれを大々的に言って回る人たちの、その人たちのなかでの整合性はどこに見いだしているのだろうと、不思議になります。本当に自分たちが世界一番だと思っているなら、もっと違う態度があると思うのですよね。すみません。僕の頭の中にははっきりと対象があるのですが、うまく伝えられません。


> 先月、日本に帰国した際に、多くの若い人たちと話をしましたが、彼らは全然内向きではなかったし、元気いっぱいでした。本音で、日本はまだまだ捨てたものではないな、大丈夫じゃないかなと思えました。あとは、日本の社会が、そういうやる気の有る人たちの心を折ってしまわないように、どうやって鼓舞するかだけなのかもしれません。
僕もそう思います。素晴らしい人たちが多くいる事はよく知っています。励ましながら促す、ということが大事かもしれません。

コメントありがとうございます!!

Re: No title

Dr. kenさん、お答え下さってありがとうございます!!

> 結局これは「学問」ですから、医術としての医療行為とは少し次元が違う話で、これに限って云うと、完全に科学技術研究と同列に論じないと行けないですよね。僕個人はグローバルであって欲しい、世界を牽引する存在で有って欲しい、というのが願いです。そう有るためには、海外で少なくとも数年は活躍したことがある人材が「当たり前にどこにでも居る」状況にならないと、厳しいのではないですか?

その通りですね。このことに関しては、僕の意見を(すでに書いたかもしれませんが、改めて)書こうと思っています。どうぞ、またご意見を頂けると幸いです!!

また、気軽にコメントお願いします!!


No title

知識をdisseminateし、共有し蓄積する、ということこそ文化でしょう。6年間、欧州に居て、日本の社会にそういう文化は根付いているのか?と自問自答するようになりました。

科学研究は競争ですから、発信してなんぼなので問題ないですが、「こうするともっと患者さんにとって益が有りますよ」というのは、もちろん論文として評価されれば業績として医師(もしくは医療チーム)にインセンティブが有るかも知れませんが、そういう知識やテクニカル・ティップスを共有する事の意味/重み/義務感のようなものを意識している日本人医師は、あまり多くないのかも知れませんね。これは医師に限った話でも無いような気がします。

Re: No title

Dr. kenさん、コメントありがとうございます!!

なるほど。文化なんですよね。そういう文化がまだ根付いていないところに違和感を感じていたように思います。勉強になりました。全くその通りだと思います。知識や技術は自分だけのものではない、それを伝える責任や義務感というのは、こちらの人は強いのは本当に良く感じます。これは、主張しなければいけない社会だ、という単純にそういうことではなくて、社会的使命だと思ってやってるように感じる事は本当に多いです。

また、気軽にコメントお願いします!!
このブログの登場人物
A教授:この病院のボス。手術中の紳士的な態度もさることながら、普段の笑顔も素敵。 H先生:A教授と同じ立場のボス。手術中は吠える鬼神に化す。手術を離れるとびっくりするくらい温かい人。実はいろいろな人のことをよく考えているのはこの先生。スロバキア人。 心臓先生:定年まじかのベテラン心臓外科医。みんなの指導医で、論文の数も凄まじく、統計処理も天才的。アフリカのブルンジ人。 J先生:兄貴のような執刀医。明るくて楽しいのだけど、感情の起伏が激しくて手術中は叫びまくることも。でも、その次の瞬間には笑っている。ギリシャ人の血をひくドイツ人。2012年の8月からベルリンの小児心臓外科のボスとして赴任。 C先生:推定年齢45~48歳の女医さん。だれも本当の年齢は知らない。長くこの病院に勤めていて、J先生の去った後、ようやく執刀医の位置に。ドイツ人。 L先生:J先生の後がまで赴任してきた先生。アメリカで修行した経験あり。ドイツ人らしい慎み深いいい人。 P先生:30歳の唯一の若者。元気でいい奴だけど、ちょっと性格が悪く看護師さんからは嫌われていたりいなかったり。H先生と同じスロバキア人で、H先生の保護下にいる。やや過保護?! D君:元々はスクラブナースだったけど才能を見いだされて手術アシスタントに。
プロフィール

遮断鉗子

Author:遮断鉗子
心臓外科医のブログです。
小児心臓外科医(35歳 心臓外科 10年目)のドイツ留学記です。
2010年7月からドイツに。

毎日の手術の事を中心に。ドイツビールの紹介もしていきます。

心臓同好会
心臓を熱く語る、勉強するみんなの会です!! こちらにも遊びにきてくださ~い!!
遮断鉗子へのメールはこちらからどうぞ
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