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遮断鉗子的抄読会(1) 暑いのでたまには学問の話を。

ずっと寒かったボンも、先週末から急に暑くなり、ついに今日30℃を越えた。といっても、この暑さは今日と明日のみで、週末には最高気温16℃。寒い雨の日にとんぼ返り。だからこそ、いつ暑くなるかわからないこそ、いつ空に太陽があらわれるかわからないからこそ、短い夏の日を精一杯楽しむのがこちら流。老いも若きもここぞとばかりに、薄着で外に繰り出す。街中にあるオープンカフェでは、サングラスに夏仕様の、きっと1年に1回しか着ないだろうと思われる、タンクトップや、チューブトップや、ビキニや、そういうあらわな格好で、ど〜んど〜んと、ここにあるのよと言わんばかりにあらわにしているのだ。けしからん。なんて破廉恥な。と僕なんかは怒り心頭で、決して見たくないのに、ど〜んど〜んに目が釘付けになる。まったく、けしからん。

そういう、まったくけしからん、ことのエビデンスはないのか?最近の若いもんは、ろくに臨床経験もないくせに、『先生のやっていることのエビデンスはなんですか?』と来やがる。僕の目を釘付けにできるほどのど〜んど〜んでもないくせに。じゃあ、わかったよ。エビデンスを示してやるよ。

というわけで、このブログも難しい話ばかりが続いていたし、そろそろ気分を変えて、学問の話をしてみようと思う。暑い夏におくる、頭のとろけかけた遮断鉗子的抄読会のはじまりはじまり。

まずは、だまってタイトルを読んで欲しい。
Guéguen N. (2007). Bust size and men’s courtship behavior: A field experiment. Body Image, 4, 386-390.

僕が下手な日本語で訳すとすると、『ど〜んど〜んのサイズと、男性の求愛の態度』となるだろうか。A field experimentとあるように、これは実験に基ずく立派な論文である。もちろん、Pubmedでも検索できる。
実験対象は男性。ど〜んど〜んの大きさの違う女性に対して、どの大きさの女性に男性が最も多く声をかけたのか、というのを調べた実験の報告。女性は1人で、身長167cm、体重56kgで、WHR0.71。WHRって、何って?最近の若いもんはこんなこともしらんのか。まったく。WHRとはWaist-to-Hip ratioの略で、ウエストサイズをヒップサイズで割った値。この値が0.7というのが、最も魅力的だと2002年にSingh先生によって証明さている。
実験1では、女性はまずはAカップでバーに座っている。決まった時間内に男性に声をかけられた数をカウントする。次に、詰め物をすることでど〜んど〜んを盛って、Bカップ、つぎにさらに盛ってCカップで、同じ調査を繰り返す。そうそう。気になるA, B, Cの基準だけど、論文中の文をそのまま引用すると、”She usually wore a bra with an ‘‘A’’ cup which is, in France, the smallest cup size. With the help of latex leaf it was possible to increase the size of the cup in order to simulate a ‘‘B’’ cup (the average cup in France) and a ‘‘C’’ cup (the size bigger than the average cup size of young women in France).”、とこうなる。要は、Aは最も小さいサイズ、Bは平均、Cは平均以上に大きい、とこうなるわけだ。結果は、Aの時に声をかけた人が13人、Bの時は19人、Cの時は44人と、統計的にも意味のあるデータが得られた(相関曲線を書くとR×R=0.95)。

この論文の優れているところは、バーは、そもそも、男性が女性を狙いにくるところだから、ほら、なんというか、純粋な動機でないかもしれない可能性もあるもんね〜、ということで、この実験を道ばたのベンチに同じ女性を座らせてやっているところ。この辺りに研究者のセンスを感じる。結果は、Aで5人、Bで9人、Cで16人。と、これも意味のある差がでている (R×R=1)。

つまりは、ど〜んど〜んの大きさと男性に求愛される確率は比例する、ということだ。


さらに、この研究も紹介したい。
Guéguen N. (2007). Bust size and hitchhiking. Perceptual and Motor Skills, 105, 1294-1298.
これは、ど〜んど〜んの大きさとヒッチハイクでとまってくれる人の数を比較した論文。前のバーやベンチの実験と違うのは、対象が男性だけではなく女性も含まれている事。男性のドライバーが774人、女性のドライバーが426人。女性ドライバーの場合、Aのときは9.09%、Bは7.64%、Cは9.33%が、このヒッチハイカーの女性を乗せようとして車を止めた。一方、男性ドライバーの場合、Aの時は14.92%、Bで17.97%、Cだとだと実に24%の人が車を止めた。Cだと、4人に1人が車を止めた事になる。

このヒッチハイクの研究は女性ドライバーを対象にしているから少し深読みができる。

女性ドライバーがヒッチハイカーを乗せようとして、車を止めた割合はおおよそ8.5%くらいになる。もし、ヒッチハイカーを乗せてもいいと思う心から親切な人の割合は男女ともに同じだと仮定すると、男性もだいたい8.5%の人は純粋な親切心で車を止めた可能性がある。それぞれの割合からこの8.5%を除いた人が、純粋に親切な僕からはまったくわからない何か他の動機で車を止めたことになる。すなわち、Aで6.5%、Bだと11.5%、Cなら15.5%ということになる。

この論文はどちらも、『なぜ男性は女性のど〜んど〜んの大きさで態度を変えるか』という事が考察されている。筆者は、男性にはグラマラスな女性を非常に価値のあるものとして認識することが文化を問わず証明されていて、それはそもそも遺伝子の中に刻まれている価値観だとした上で、詳細なメカニズムはわからないけど『男性はいまだに遺伝子の支配から克服でいないでいる。』と結論している。



これは、どちらもフランスの先生のフランスでの話。もちろん、日本人にこれを直接当てはめる事はできないし、僕は『たとえど〜んど〜んにおいても日本人の慎ましさを支持する党』の党首だから、この結果には素直にうん、とは言えない。



しかし。どうだ、若者。僕の目にはエビデンスがあるのだ。国を越え、文化を越えて、男はバカなのだ。





*この抄読会は僕の気がすむまで続きます。クレーム等は甘んじて受け付けますが、意見には個人差があります。また、ここでは全て学術的に認められた論文を引用しています。フィクションではありません。





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このブログの登場人物
A教授:この病院のボス。手術中の紳士的な態度もさることながら、普段の笑顔も素敵。 H先生:A教授と同じ立場のボス。手術中は吠える鬼神に化す。手術を離れるとびっくりするくらい温かい人。実はいろいろな人のことをよく考えているのはこの先生。スロバキア人。 心臓先生:定年まじかのベテラン心臓外科医。みんなの指導医で、論文の数も凄まじく、統計処理も天才的。アフリカのブルンジ人。 J先生:兄貴のような執刀医。明るくて楽しいのだけど、感情の起伏が激しくて手術中は叫びまくることも。でも、その次の瞬間には笑っている。ギリシャ人の血をひくドイツ人。2012年の8月からベルリンの小児心臓外科のボスとして赴任。 C先生:推定年齢45~48歳の女医さん。だれも本当の年齢は知らない。長くこの病院に勤めていて、J先生の去った後、ようやく執刀医の位置に。ドイツ人。 L先生:J先生の後がまで赴任してきた先生。アメリカで修行した経験あり。ドイツ人らしい慎み深いいい人。 P先生:30歳の唯一の若者。元気でいい奴だけど、ちょっと性格が悪く看護師さんからは嫌われていたりいなかったり。H先生と同じスロバキア人で、H先生の保護下にいる。やや過保護?! D君:元々はスクラブナースだったけど才能を見いだされて手術アシスタントに。
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遮断鉗子

Author:遮断鉗子
心臓外科医のブログです。
小児心臓外科医(35歳 心臓外科 10年目)のドイツ留学記です。
2010年7月からドイツに。

毎日の手術の事を中心に。ドイツビールの紹介もしていきます。

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