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遮断鉗子的抄読会(3) 女性の武器は男の元気の素なのだ

先日、ど〜んど〜んの大きさで反応(?)する男性の数には差がある、ということを勉強した(遮断鉗子的抄読会(1) 暑いのでたまには学問の話を。)。しかし、これはなんともアンフェアな話でもある。男だって、イケメンの方がモテるのは決まっているし、そういう話をされても、『あ〜そうですか〜。僕には縁のない話で〜』と僕も言うと思う。もちろん、ど〜んど〜んは、詰め物をすれば盛れるし、僕の顔だって手術でもして、シリコンや金属やその他の人工物を詰めて盛ればいいだけの話なのだけど。そうではなく、今日から使える武器はないのか?ど〜んど〜ん以外の女性の武器はないのか?

Guéguen N. & Fischer-Lokou J. (2004), The Effect of hitchhikers' smile. Psychological Reports, 94, 756-760.
『ヒッチハイカーの笑顔の効果』という論文。平均的な見た目の男2人女2人が、笑顔と笑顔でない顔でヒッチハイクする、という実験。実験をする人は、それぞれ1人は笑顔で100人、そうでない顔で100人のドライバーにヒッチハイクを試みる。合計800人(男性503人、女性297人)のドライバーを観測した。

さて、結果。ヒッチハイカーに止まってくれたドライバーは89人(22.3%=89/400)で、全員男性。
(注:以下の全ての統計処理は遮断鉗子が行いました。なので、実際の論文とは多少数字が違いますが、最終的な結論には影響を及ぼしてはいません。)

笑顔の時と、笑顔でないときを比べた場合、それぞれ66人(16.5%=66/400)と23人(5.8%=23/400)となり、笑顔の時に止まってくれるドライバーは、笑顔でない時に比べて、明らかに多かった(p<0.001)。

男性ヒッチハイカーと女性ヒッチハイカーでとまったドライバーの数を比較すると、それぞれ30人 (9.3%)と 59人 (14.8%)となった。女性ヒッチハイカーの方が、男性に比べて、有意に多く車を止めている(p=0.001)。

男性ヒッチハイカーが笑顔のときに18人(9%=18/200)、笑顔でないときは12人(6%=12/200)のドライバーが車を止め、これには差は無かった(p=0.25)。女性ヒッチハイカーが笑顔の時に止まった人が38人(19%=38/200)、笑顔でないときは21人(10.5%=21/200)と、これは統計学的に意味のある差になった(p=0.02、relative risk; 1.8、 95%CI; 1.1-3.0)。

この結果から、『女性』の『笑顔』はヒッチハイカーにとって車を止める有効な手段になることがわかる。

その一方で、『男性の笑顔』はなんの役にも立たない、ということが言えるかもしれない。そんな事はない!!そうだ、サンプル数が少なすぎるからかも!!と思って、ちょっとマニアックな話になるけど、検出力(Power)を調べてみるとたったの20%しかない。ほぼ確実(検出力80%)に、男性の笑顔も意味がある(p=0.05)というためには、約2400人のドライバーにこの実験をしないといけないことになる。

そんな事言っても、そもそも、女性ドライバーが一人も止まってないなんて。。。。。これには何も反論できない。



私、ヒッチハイクなんかしないも〜ん、という女性もいるだろう。そこで、次はこれ。

Guéguen N. (2008). The effect of a woman’s smile on men’s courtship behavior. Social Behavior and Personality, 36(9), 1233-1236.
『男性の求愛行動における女性の笑顔の効果』というタイトル。いいですね〜、このダイレクトな感じ。この実験は、ヒッチハイクという非日常ではなくて、お得意のバーでの実験。『平均的な魅力』だと15人の男性学生が選んだ20歳、身長164cm、体重54.5kg、もうおなじみWHR(Waist to Hip Ratio )=0.7の女性が仕掛人。この女性がバーに行き、男性の近くに座り、男性と目を合わせる。目があった後2秒間、笑顔で見つめる時と笑顔でない顔で見つめる場合の、男性の反応を比較する。笑顔と笑顔でない場合それぞれ50人ずつ(合計100人)の男性が実験対象になっている。男性の反応は、目が合った後の10分間に、声をかけてくる人数、と、女性に声をかけなかった人がその女性を10分間に見た(チラ見した)回数、の2つで評価している。

結果は、声をかけてきた人は、笑顔のときとそうでないときと、それぞれ11人(22%=11/50)と2人(4%=2/50)で、有意に差があった(Fisher's test; p=0.01)。その女性を見た回数は、笑顔のときとそうでないときと、それぞれ平均7.02回(Mean±SD; 7.02±3.40)と2.01回(2.01±1.91)だった。これも、統計学的に明らか(p<0.001)に笑顔の時の方が多いと言える結果だった。

笑顔で見つめられたら、男性は求愛行動に出る確率が高いということが言える。



この2つの論文から言える事は、ちょっと極端かもしれないけど、『女性の笑顔は、男性を行動に駆り立てる力がある』という事だと思う。行動を起こすためには力が必要で、その力のことは大雑把に『元気』と言い換えれるから、

『女性の笑顔は、男性を元気にする』

と言える。これは実感としてとてもうなずける。女性の笑顔に救われたり、癒されたり、よ〜し、今日も頑張ろう!!と思う経験はどんな男性だってあるだろう。この実験がなくても、男性は女性の笑顔に左右されやすいことは男性はみんな経験している。営業用の笑顔だってわかっていたとしても、コンビニのバイトの女の子の笑顔にだって、元気が出るんだから。もちろん、そんなのに関係なく、いつも元気でいつも頑張れる男性もいる。だけど、そんな男性だって女性の笑顔でもっと元気が出る、というのが男の本質ではないかと思う。男性が元気がない、といわれている世の中だけど、この状況を打破できるのは、女性の笑顔、だと僕は思う。



女性の笑顔は、すなわち、世界を救う力があるんだ!!



女性のみなさ〜ん。元気のない男性に会ったとき、職場や家庭で男性がおちこんでいるとき、好きな男性に頑張って欲しいとき、あなたの笑顔が男性を救い、男性の元気を生み出すことを、どうぞ忘れないで下さいね〜!!



あなたの笑顔は武器なのだ!!

















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このブログの登場人物
A教授:この病院のボス。手術中の紳士的な態度もさることながら、普段の笑顔も素敵。 H先生:A教授と同じ立場のボス。手術中は吠える鬼神に化す。手術を離れるとびっくりするくらい温かい人。実はいろいろな人のことをよく考えているのはこの先生。スロバキア人。 心臓先生:定年まじかのベテラン心臓外科医。みんなの指導医で、論文の数も凄まじく、統計処理も天才的。アフリカのブルンジ人。 J先生:兄貴のような執刀医。明るくて楽しいのだけど、感情の起伏が激しくて手術中は叫びまくることも。でも、その次の瞬間には笑っている。ギリシャ人の血をひくドイツ人。2012年の8月からベルリンの小児心臓外科のボスとして赴任。 C先生:推定年齢45~48歳の女医さん。だれも本当の年齢は知らない。長くこの病院に勤めていて、J先生の去った後、ようやく執刀医の位置に。ドイツ人。 L先生:J先生の後がまで赴任してきた先生。アメリカで修行した経験あり。ドイツ人らしい慎み深いいい人。 P先生:30歳の唯一の若者。元気でいい奴だけど、ちょっと性格が悪く看護師さんからは嫌われていたりいなかったり。H先生と同じスロバキア人で、H先生の保護下にいる。やや過保護?! D君:元々はスクラブナースだったけど才能を見いだされて手術アシスタントに。
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遮断鉗子

Author:遮断鉗子
心臓外科医のブログです。
小児心臓外科医(35歳 心臓外科 10年目)のドイツ留学記です。
2010年7月からドイツに。

毎日の手術の事を中心に。ドイツビールの紹介もしていきます。

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